人生に平坦な道はない

お経の般若心経に『一切皆苦(いっさいかいく)』という一節がありますが、

これは『全てが苦しい』と解釈されがちです。

でも本当の意味は、世の中のあらゆることは全て、そもそも自分の思い通りにはならないことを表す言葉なのです。

この言葉を空海は 『人生はデコボコ道』 と表現しました。

 

私たちの人生はそもそも平坦ではないのに、自分の道だけは平坦で歩きやすいものだと思い込んでしまいます。

そう自己中心的に思い込む心の働きが、煩悩なのです!

そして、あるときつまずいてショックを受けます。

『こんなはずじゃなかった』 というように、ここで人生がデコボコ道だってわかっていたら、私たちはどうするんでしょうか?

デコボコ道を見渡して、靴を履き替えて注意をして歩くことだと思います。

つまずいて転ぶことがあったとしても、平坦だと思って歩いていたときよりもショックは受けません。

それに、デコボコ道を歩くことを楽しむ方法も見つかるかもしれません。

長い坂道はただ苦労だけじゃなくて、運動の一環と取ることもできると思います。

同じ道でつまずくこともあるけど、前より上手く転べるかもしれない・・・。

辛いことで傷つけられることもあるけど、その経験のおかげで、同じように傷ついている人の痛みがわかるようになるかもしれないし、歩いた経験をいつかあなたが他の人に伝えられるかもしれません。

 

人生はデコボコ道で、決して思った通りにはなりません。

でも、デコボコ道を覚悟して歩くのも悪くない。

気が向いたらまた、ボチボチ歩いてみませんか?

 

とは言っても、どうしようもなく苦しいとき、命を絶って全てを断ち切ってしまいたいと思う気持ちが浮かんでくる。

その気持ちを否定することはできません。

ただ、一つ心にとどめていてほしいのは、人間はいつか必ず、命を終える時が来るということです。

人間の死亡率は100%です。 命を終えてこの世を去る時は、誰にでも平等にやってきます。

その前に慌てて、自らの命を絶つこともないんじゃないかと思います。

 

何もかもを断ち切ることはできませんが、経験から学ぶことができたら、それでいいと思います。

カッコ悪くてもいいから、情けなくてもいいから、絶対に生きていましょう!

どんなに苦しいことも、必ずいつかは終わるから、その時まで絶対に生きていましょう。

 

感謝