自己嫌悪はどうして起こる?
最近、自分を必要以上にダメだと感じたり、自分には何の価値もないと思い込むなど、自分を大切にできない人が増えているように感じます。
自分が嫌になるとき、大体は過去に自分が起こしたこと、自分に起こったことに対して、今の自分が嫌悪感を覚えています!
でも、それは一体どういうことなんでしょうか?
仏教では、『諸法無我』と言って 『全てのものは常に移り変わり、永遠に変わらないもの(自分)は無い』 と説いています!
身の回りの環境と同じように、私たちの身体も心も常に同じではなくて、本来はずっと変わり続けていくものです。
でも、なかなかそれをわかることはできません。
もしも頭で理解していても、自分だけはずっと変わらないと思い込んでしまいます。
でも、それは自分の心が作り出す思い込みにすぎないと仏教では考えます。
自分のものと思っている身体や心さえも変わり続けていき、ずっと変わらずにいることはできません。
ましてや、 周りの人や環境が思い通りにならないのは当たり前のことです! でもそれは、苦しいことです。
例えば、愛しい人とはずっと一緒にいたいと思うものですが、何かのキッカケで離れていくこともあると思います。
本来、思い通りにならないことを自分の思い通りにしようとして、変わらない、変えたくないという思い込みにとらわれていくことが 『執着』で、そこから苦痛が生まれます。
私たちの身に起こる自己嫌悪も、この執着が原因なんです。
ときどき『執着を無くしたい』という人がいます。
『無執着』はお釈迦様が様々な修行をして到達された、悟りの境地です。
私たち人間が完全に執着を離れることは非常に難しくて、従って、自己嫌悪が全く無くなるということは無いかもしれません。
でも、今ご自身が抱えている執着と、どうしたら上手く付き合っていけるか、どうしたら自分の思い込みにとらわれないで、振り回されずにいられるかということなら、仏教の教えとかお坊さんの生活から少しは学べるかもしれません。
『心に従わず心の主となれ』 とよく言います。
本当に自分を大切にするには、自分の思い込みから来る心の揺れに振り回されないで、自分の心を制御していくことがカギになると思います。
感謝