布施行に見返りを求めない
何か人にしてあげたときに 『せっかくしてあげたんだから、お礼ぐらい言ってくれてもいいのに・・・』 と、ついつい見返りを求めてしまうこと、誰にでもありますよね。
僧侶の方々は檀家さんや信徒さんからお布施をいただいて生活をしていますが、お金をお渡しするという行いだけが、お布施というのではありません。
お布施には3つの種類があり、
・お坊さんが法を説いて真理を悟らせる『法施』、
・お金や物などの財を施す『財施』、
・人々の不安や恐怖を取り除く『無畏施(むいせ)』があります。
お坊さんがお経を読んで仏教を伝えることもお布施なんです。
さらには、お布施には『無財の七施』というのがあります。
・優しい眼差しで相手と接する『眼施(げんせ)』、
・穏やかな表情で相手と接する『和顔施(わげんせ)』、
・思いやりのある言葉を相手に投げ掛ける『愛語施(あいごせ)』、
・自分の体を使って奉仕する『身施(しんせ)』、
・思いやりの心を持つ『心施(しんせ)』、
・座席などを譲ってあげる『床座施(しょうざせ)』、
・雨などをしのぐ場所を与えてあげる『房舍施(ぼうしゃせ)』の7つです。
皆さんが普段、無意識にされているようなことが含まれているのではないでしょうか。
この沢山ある布施行に共通していることは、あくまでも相手のことを思う心から施しを行うということです。
決して自分への見返りを求めての行いではないのです。
何かをして見返りを求めてしまうことは、もしその見返りが無かった場合のことまで考えてしまわないとならなくて、せっかくの自分の行動が、実はやらない方が良かった・・・なんて状況にさえ陥ってしまいかねません。
また、見返りを求めて行動するということは、困っている人を利用して、自分が気分よくなりたいという、自分勝手な行動だと思います。
お坊さんでなくても、心を落ち着けるための布施行をしているんだという気持ちで、人と接してみてください。
自分がその行いをさせていただけた、それだけで十分満足できる状態になれたら、とても素敵な毎日を過ごせるようになると思います。
感謝