思いがけない人生を楽しむ

この世に生きている限り、避けることのできない苦しみというのがあります。

それは 『生老病死(しょうろうびょうし)』の4つの苦しみと 、

『愛別離苦(あいべつりく)』、『怨憎会苦(おんぞうえく)』 『求不得苦(ぐふとくく)』、『五蘊盛苦(ごうんじょうく)』 の4つの苦しみを足した8つの苦しみを指します。

『生老病死』の『生』とは生まれてくる苦しみ、『老』は老いる苦しみ、『病』は病魔に襲われる苦しみ そして『死』は、必ず死ななければならないという苦しみを言います。

『愛別離苦』は、たとえ自分自身が健康で元気でも、大切な家族や親しい人たち、または家族の一員だったペットとお別れをしなければならない苦しみのこと。

『怨憎会苦』は、憎々しい会いたくない人とも会わなければいけない苦しみのこと。

『求不得苦』は、求めるものが得られない苦しみのこと。

そして、『五蘊盛苦』は、私たち人間の肉体や精神が盛んに作用して際限がない苦しみを言います。

では、『生』、つまり生まれてくる苦しみとは具体的にどんなものでしょう?

この世に生まれてくるときに母親の産道を通る苦しみでしょうか? もしもそうなら、ほとんどの人が記憶に無い苦しみだと思います。

『生』の苦しみを『生きていくこと自体が苦しい』 ととらえる場合もありますが、それでは『老』『病』『死』なんかも含まれて意味が薄くなってしまうように思います。

『生』の苦しみとは、誰の子供として生まれてくるのか、どんな時代に、どんな環境に生まれてくるのかを選ぶことができない苦しみのことを言うのです。

こう考えると、四苦八苦の苦しみが存在する私たちの世界は、何事も思い通りにならない世界と言えると思います。

思い通りにならない物事を、思い通りにしたいと、まるでそれができるかのように生活してしまうことから、苦しみが生まれるのです。

思い通りにならないと、すぐにイライラしてしまう時には、そもそもこの世は苦しみ、思い通りにならない世界だと強く認識することから始めてみてください。

思い通りにならないことは、逆に言うと思いがけないことの連続とも言えます。

思いがけないことが起きたとき、落ち着いて行動できるようにしっかりと準備して、自分の人生をしっかりと楽しみましょう。

 

感謝