怒りとどう向き合うか
煩悩については昨日の気づきの部屋で書かせていただきましたが、私たち人間には『貪(とん)、贐(じん)、癡(ち)』という3つの煩悩があります。
これはどれも苦しみの原因となる悪玉で、「三毒煩悩」と呼ばれています。
『貪』というのは、貪り(むさぼり)の心のことです。
何でもかんでも自分のものにしたいと思う欲望のことです。 欲しいものを手に入れることで欲望は満たされますが、それは一時的なこと。 すぐに次の新しいものが欲しくなって、その欲望にはキリがありません。
『贐』とは、怒りの心です。
自分が嫌なものはできるだけ避けていたい、それができない状態にイライラしてしまう状態です。
『癡』は、無知の状態です。
苦しみの原因が物事への執着だと知らないで、際限なく貪ったり自分の思い通りにならない事に怒りの感情を表したりする状態そのものです。
怒りの感情を無くしたいなら、この三毒煩悩を無くさないといけないということになります!
でもこれは、僧侶の方々でもなかなか難しく、簡単にはできることではありません。
煩悩を断ち切ること、抑えようとすることは到底できないことなんです。
煩悩は無くならないものとして、正しく付き合っていくことが最良だと思います。
では、怒りの感情を無くすことができないとしたら、どうしたら良いのでしょう?
怒りが生まれてきたら、まずはその感情が大きくなってくることを他人事のように 『あぁ、今、怒りの気持ちが起こってきたな、またやってきたな』 と、客観的に感じてみてください。
意外とこれだけで、怒りが大きくなる前に抑えることができます。
では、『今回の怒りはなかなか収まらないな・・・・』 と思ったとき、どうしたらいいでしょうか?
怒っている時間は、限りある自分の人生を怒りの対象の人や出来事に費やしてしまっている状態です。
さらには、怒っている自分の状態にイライラして、より一層の怒りが増幅してしまうことも少なくありません。
怒りの感情を持つということは、大切な時間、命である時間を無駄遣いしているのと同じです。
なかなか怒りが収まらない時には、そんな状況を客観的に感じながら、時間の大切さを思い出すように意識してみてください。
怒りは自分の時間を無駄にしてしまうことに、気づきましょう。
感謝