怒りの感情は弱さ

私たち人間は、常に煩悩を抱えて生活をしています。

煩悩とは、簡単に言うと『欲』という解釈が分かりやすいと思います。

毎年の大晦日、除夜の鐘は108回つかれますが、これが人間の煩悩の数です。

では、この108の煩悩とは何なんでしょうか?

人間の体には。眼、耳、鼻、舌、身、意の六根という感覚器官が存在しています。

この六根に 良い、悪い、どちらでもないの3つを掛け合わせると18になります。

また人間の体に入ってきて、本来は清らかなはずの心を汚すものとして 色、声、香、味、触、法 の六塵(ろくじん)があるんですが、これに 苦しい、楽しい、どちらでもないの3つを掛け合わせると、やっぱり18になりますね。

この2つを足した36に 『過去、現在、未来』 の3つの世界を掛け合わせると108になります。

この世に生まれてくる前、そして現在、未来までも含めて私たちの心や体を通して生まれてくる煩悩の数は、そんなにも沢山あるということなんです。

そんな煩悩の中でも特に厄介なものが 『怒り』なのです。

怒りは自分が認めたくないもの、寄せ付けたくないものを振り払おうとすることから起こります。

でも、なかなか振り払えるものではありませんから、怒りの感情は更に増幅してしまいます。 怒りっぽい人とは 『自分が正しい』 という思い込みが強く、またそれ以外は受け入れてたまるかと常に警戒している人たちで、逆に怒りの感情を上手くコントロールできる人は、例え自分が正しい考え方を持っていたとしても、それだけが正解じゃないということを理解して、他人の考え方も積極的に受け入れようと、心を開いている人ではないかと思います。

自分だけが正しいという凝り固まった姿勢をほぐすことで、自分とは違う環境で生きてきた人の考え方とか、自分より若い世代の新しい感覚を取り入れることができるようになります。

怒りという感情からは、何か暴力的な働きをイメージしてしまいますが、実はそうじゃなくて、その人自身の弱さの表れなのです。

人間、一人ひとりは弱い存在ですが、この世に存在する全てのものはそれ単体で存在しているわけではありません。

相互相関の関係の中で生きていることを理解して、ご縁のある全ての人たちへの感謝の気持ちを忘れずに生活しましょう。

 

感謝